それはまだ寒風吹きすさぶ厳冬期のころだったかな、いつも革製品の制作をしていただいている革工房メリーマックさんで“あるモノ”を依頼していたのね。
例によってとっくに出来上がっているのに受け取りにお伺いするタイミングを逸してしまいご迷惑をお掛けした次第である。言い訳をさせていただければ2月3月4月と年度末〜新年度のシゴトがギュウギュウ詰めになっていてロクに休日が取得出来なかったこともあるのよ、3月なんて特にカンペキ皆勤賞だったからなあ、ホントに疲れちまったのね。そんなテメーにご褒美ってカンジかな、メリーマックさんでルンルンしたあとは何か美味しいものを食して哀愁のイナカ町に帰還…というプランで過ごした5月末の某日である。
作って頂いたのはこのところ登板回数の多いカメラの専用ストラップだ。ホントはストラップってウザいんだけど…特に撮影するときはジャマ以外の何物でもないのでつけたくないのね…どうしてもこのカメラにはこんな色とデザインのストラップを奢ってみたくなったのよ、いや〜そんな想いを叶えてくれるメリーマック・石原氏のお仕事はいつも本当に素晴らしい！ありがとうございます。
ちょ〜満足なキブンでお店をあとにしてムカシからメをつけていたお蕎麦屋さんに向かった。ちょっと外見もステキだし（なんだか美味そうじゃん）みたいなカンがピリピリ働くお店は大泉町にある「まつ浅」さんである。以前に一度お伺いしようと思っていた矢先にお店の御主人が骨折されてしばらく休業…という話を耳にしてガマンの日々が続いていたのだな、あ〜やっとこの日が来たのだよ。
お店に入るとそのインテリアに息を呑んだ。和モダンな造りは西洋建築の白壁＆ウッドと和紙を用いた照明や壁にインスタレーションされた草木がとてもセンスよくオリジナリティーを発揮しているのだ。
（こーゆー処で食事をするって何にも代えがたいシアワセだよな）と注文したのは『天せいろ蕎麦』である。なんだかこのところ蕎麦を手繰りに行く度にソレを注文しているような気もするけど、まあいいか。
適度な待ち時間の経過のあとにテーブルへ運ばれてきたそれは正しくスタンダードな『天せいろ蕎麦』で、特にシカケがしてあるとか特色あるナニが…ってものはない天せいろ蕎麦一本勝負である。ツウはただのザル蕎麦とかせいろオンリーで攻めるんでしょうけど、エロおやぢは何か胡散臭さを発するインチキ野郎なのでこーゆーものがいいのよね。
いつものように最初のひとクチはなにもつけずにツツッを手繰る。おぉ〜、いい香りだ。丁寧に蕎麦粉を挽き正確に打ちそして切り、優しく茹であげた蕎麦だけが持つ至極の舌触りとお味がここにある。美味い。
天ぷらはイカ・海老・ピーマン・茄子・きのこ…といったあまり季節感のないものなのは別献立で『季節の天せいろ蕎麦』があるためだ。ホントは先にそいつを注文しようと思っていたのだけれども残念なことにこの日は既に売切になっていてシカタなしにスタンダードなほうをお願いしたのだな。
それにしてもこの天ぷらもいいシゴトしてるじゃないか。やたらデカいとかサクサク感の演出のためにコロモの花を異常に咲かせてあるといったギミックはない。つまり本質的な美味しさと食べやすさだけを追求したカタチがこれなんだな、いいねえ。
そしてもう一つ感心したのはその“蕎麦湯”の旨さである。たいていは四角い例の急須形容器で提供されることが多いのだけれど、このお店ではTHERMOSのポットで運ばれてくる。そしてそのトロリと濃厚な蕎麦湯を猪口に残った蕎麦ツユに加え割ってやりススッといただくとなんとも表現のしようがない心地よさがカラダの内部に芽生えてくるのよ。冷たい蕎麦でややナーバスになりかけた胃袋がサッと回復してゆく様子が明確に判るのだ、いや〜ヘタなデザートいただくよりもコッチのほうが心身ともに豊かになれるかも知れないなあ。
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八ヶ岳山麓の清里近辺にはこんなお楽しみが数多く存在する。彼の地を訪れる度にいつもの満足があったり新しい発見とオドロキがあったり飽くことを知らない。静かなエキサイティングと言ってもいいかもしれないなあ。
いつの日か仲の良いトモダチとここに集い楽しい時間を過ごしてみたい…という想いがこのところ日増しに強くなっている。
◆手打そば まつ浅
山梨県北杜市大泉町西井出8240-7760
TEL=0551-38-2841
ACT=11:00-15:00
水木定休（冬期特別休業あり）
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元ルーさん
こんにちは！
デザインのアイデア出しをして、革の種類と色を選んで、細かい部分を煮詰めて…そんなゼイタクな作り方をしても市販の高級タイプにちょっと上乗せするくらいのお代金で制作していただけるんですよ、有り難いことです。
そば湯のポット出しって、ありそうでなかったサービスですよねo(^-^)o
