でらうみゃ~でかなわんわ(70)

いちどは喰いたい”名古屋めし”

其の八 『味噌かつ定食』@うなぎ 松岡

”モーニングの聖地・一宮”でまた別のシゴトがあった。一週間程度で終わった現場ではあるけれど、まあその間モーニングや昼めしなどいろいろとチャレンジし甲斐があったのであって、こちらのお店もその一つなのよね。

隠さず申し上げますとこの松岡さんは現場から一番近い場所に在った飲食店です。しかしながら『うなぎ・天ぷら』と看板に書かれていて、しかも黒の重々しい外装… 誰だって「お昼ゴハンにしてはちょっとゼイタクですかねぇ…」みたいに気軽に暖簾をくぐるフンイキではないのは確かでしょ。当然ボクも知っちゃあいたけどパスパスパスてなもんでしてね、どーせ『うな重』喰うならさ、プライベートでゆったりとしてる時に限る…と思っていたのです。
短期現場なので給食弁当は望めないし、かと言って他の人々のようにコンビニ弁当ってのも気が進まない(って言うより大キライ)ので、近隣の喫茶店などを探し回るわけです。
幸いなことにいい喫茶店を見つけましてね、まあそのハナシは後日ってことなんですけど、その前にこの松岡さんが高級和食だけでないことが判明し、お~っし、いっちょ行ってみますか!なのですね。
それにしてもこの入口、ちょっとした懐石割烹料理店みたいな風情が漂ってますね、キモノ着た女将なんぞが三つ指ついて「いらっしゃいませ、お待ち申し上げておりました…」などと頭を下げて畏まる姿など想像してみるけれど、果たして如何に…てなもんです。

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ところが一歩中に入ると拍子抜けするインテリアです。なんだ、フツーのお店じゃん… 改装してそう年月も流れていないのか如何にも近年の普請なのであり、テーブルや椅子が揃ったものでない等チグハグさもあって、それまでのビビリがバカみたいに思えたものです。

きっと奥にはお座敷なんぞもあってソレナリな客席もあるのでしょうけれど、シゴトちうの肉体労働者はおひとり様用の壁際カウンター席にコシを落ち着けるのだな、やれやれ…って感じです。

メニューブックを眺めているとお茶と箸そしてパックの紙オシボリが運ばれてきました。う~ん、割箸の袋がとってもステキだし、お茶もちゃんと緑茶を用意してあるのに紙オシボリってのはアンバランスかな、ここでもチグハグさを感じて少し不安になるわけです。

気を取り直して注文に集中することにしました。看板メニューの『うな重』は”上”でも¥2800とかな~りリーズナブルだし、他のメニューも同様な価格設定なのであります。『鯉の洗い』なんて尾張地方らしい献立もあって呑み助としてはグラグラ来るものがありますけれど、シゴトちうですからねぇソレはまた別の機会にしなさい!てなもんですな。

さて入店の動機となった『味噌かつ』ですね、こいつが本命なんですから定食で注文することにしました。ロースが¥900、ヒレだと¥1100とこれらも庶民プライスで大いに助かります。

MINOLTA M-ROKKOR 2/40  SONY α7

ジツはナゴヤに来て『味噌かつ』を食すのはこれが初めてではありません。正月休み明けにナゴヤに戻った際、某喫茶店のランチでがっつり喰っているのですが、例のHDDデータすっ飛び事故でそのフォトはパアになってしまい、本駄文日記にアップロードしていなかったわけであります。
その喫茶店の『味噌かつランチ』は衝撃テキなくらい美味かったのでしてね、当然のことですがどうしてもソレと比較してしまうわけです。

MINOLTA M-ROKKOR 2/40  SONY α7

松岡さんは和食のお店、サスガに豊かな膳として完成されています。豚ロースは若干厚みに欠けるものですがお味はいたって美味、質の高さがよ~く判ります。八丁だし味噌も品の良い旨味があって甘みと苦みのバランスがナイスですねえ、やっぱり和食のお店は違います。
ただし喫茶店の『味噌かつ』定食ランチとはベクトルが違うのでドッチがいいとか上下をつけるべきものではありません、それよりもこうした和食のお店ならではの副菜に注目すべきかと思います。

香の物は自家製を含む三種、そして小鉢のナカミは「ひじきの煮物に厚揚げをあわせたもの」「厚焼き玉子」そして青みとして茹でた隠元が添えてありまして、こうした部分にお店のプライドというものを感じます。いいですねえ、素晴らしいです。
味噌かつ』のメイン皿には刻み生野菜とマカロニサラダですが、添えられた柑橘がレモンでもスダチやユズでもなく、なんとダイダイってところがオドロキなのでありました。ダイダイはこうした柑橘酢として初めての経験ですが、これはこれでいい感じです。八丁味噌との相性がいいですね、貴重な体験をさせていただいたと思いますよ。

そして食後のドリンクです。とてもアセダラの午前中だったものですから久しぶりにアイスコーヒーをお願いしたのですけれど、なんとソレはジョッキで提供されたのであります。う~む、参りました!和食店には似つかわしくないスタイルですが、肉体労働者としては大歓迎なサービスです。この部分だけは喫茶店に完勝ってとこですかね。

いろいろと不要な憶測をしていたり不安を感じたものはあったけど、食し終えてみればなかなかに佳い昼めしなのでありました。他にもいろいろ用意されているランチも食してみたいなぁとは思いますけれど、一宮市のその現場はもうおしまい。残念ですがシカタありませんな、お会計時にいただいたドリンクサービス券が虚しくサイフに残っております。


うなぎ・天ぷらの 松 岡
愛知県一宮市三条西蛭子54-4
TEL=0586-62-2479
ACT=11:00-14:00 / 17:00-20:00 火曜日定休+第三水曜日休