(84)『昔なつかし給食カレー』


北海道釧路市の小学校で昭和40年代の半ばまで給食を頂いていた。当時はセンターキッチン方式の給食センターと云ったものはなく、各小学校の給食室で調理が行われ当番が教室に運ぶと云う方式が採られていたはずだ。
現在と違い米飯の提供がなかったので毎日の主食は食パンかコッペパンに銀紙に包まれたマーガリンと、時にビニール袋入りのイチゴジャムやマーマレードといった具合だったのね。
やれブルーベリーだのチーズスプレッドなどといったモノには無縁な世界があったのだ。
ソコに月イチぐらいの割合でカレーが登場するワケなのだが、左手にパンを持ってカジリながら右手の先割れスプーンでカレーのルウを掬っては食べると云う今にしてみればケッサクな給食風景だったのである。
そのカレーも牛肉なんてものはソビエト連邦に占領されでもしない限り絶対にあり得ない食材なのであり、豚肉の脂身がほとんどというマコトにアンダークラスな動物性脂肪と、じゃが芋や人参もごく僅かの量でヤサイの大半はガサガサに切ったタマネギ…時には芯や皮まで入っていて…というちょ〜シンプル&ワイルドなカレーであった。
今更「昔なつかし…」と云われてもイマひとつピンとは来ないのだが“なんとな〜く”のイメージで商品化されたものなのかも知れない。
もっともボクの世代から10年も経れは世の中の食事情も一変しているのでソレこそ「なつかしーっ!」とカンゲキする方もいらっしゃるのだとは思うのよ。


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