過熱した脳ミソを鎮める『あずき貝の塩茹で』

真夏日にもホドがあるってもんだいっ！と吠えても過熱してしまった脳ミソはどうにもならない。おまけにクルマ通勤の帰路で前をたらたら走っていたバカ野郎にイヤな思いまでさせられてヨケーにヒートアップしたエロおやぢなのよね。

まあバカ野郎のことは明日になったらきっと忘れているだろうからいいんだけど、取り急ぎ本日の肉体疲労回復と精神衰弱のリカバリをしなくては明日に継らないのである。こんなときはナニか美味いもん喰ってテキトーな酒を適度に飲って自らのストレスを開放してやるに限るんだな。
そんなわけでいつものスーパーに立ち寄れば“活バイ”が売っているではないか。おぉ〜こいつを塩茹でにしてビールで乾杯セルフお疲れ様会だぜ、へっへ〜冷蔵庫には日本酒も冷やしてあるしさ。
ところでこの商品のパックには“あずき貝”って表記されてるんだな、初めて聞くナマエだよ。バイと違うの？…と調べてみれば諸説いろいろあって確定テキな結論は見いだせない。石川県産となっているから、もしかしたらその地方ではバイをそう呼ぶのかも知れない。それに近ごろやたらにイバってる一党独裁文民統制人権侵害覇権主義軍備拡張某国産ではないから安心して購入できるのもいい。

帰宅してシャワーをしたらキンキンに冷えたビールを飲りながらこいつの調理に取り掛かった。キホンは塩なんだけどそこに醤油と味醂を少々加えてやると一層風味がよくなるのよね。茹でたてをアッチッチ〜しながらクリクリ竹串で回して食すのも楽しいけれど、ほんの少しだけガマンの時を経て煮汁が常温に近くなるまで待つとお味と香りに落ち着きが出て大変結構なものに変化するのだな。
美味い！やっぱり活き貝だよ。脳ミソは別のイミで過熱するけれど、日中のストレスはこれで消滅だ。お味はいつものバイと一緒、ただし身肉の硬さや食感にかなりな違いを感ずる。言ってみればアワビみたいにコリコリしてるのよ。スキキライは分かれるかも知れないが、ボクはコレはコレで美味しいと思う。太平洋側で漁獲されるバイはもう少し軟らかくてネバリも強いがこいつはアッサリ気味、きっと捕食しているものの違いなんでしょうな。
北陸地方では塩茹でではなくもう少し濃い目の醤油味で煮るというから、もしかしたらこの“あずき貝”に関してはそのほうが向いているのかもね、次回入手するチャンスがあったらぜひそうしてみようと思う。

ところで巻き貝を茹でたものを竹串でクリクリして食すとき、先端のワタが千切れて中に残ってしまう悲劇が時折生ずるのよね。あのワタがちょ〜旨いんだからさ、なんだかすんごく損をしたカンジじゃないかい。ウニとかカニミソやアンキモにも通ずるあのコクと旨味・香り…まったりした舌触りもセクシイだし、それを嫌ったり食さないヒトの気が知れない。
どうしたものかツルルンクリリンと素直に取り出すことが出来るときもあれば、なかなかに手こずり結局はサヨーナラみたいな幕引きもあってその理由をぜひ究明してみたいのよ。茹で方が悪いのか、冷まし方がいけないのか、果てまた鮮度なども影響しているのか。誰か知ってたら教えて下さいな。今回の“あずき貝塩茹で”に関しては負け越しってカンジでさ、オカゲで取り残された先端ワタ部分の救出スペシャルテクニックを幾度となく発揮させなくてはならなくて左の掌が痛くなっちまったのだよ。

貝だけ喰って晩酌ってのもなんだか寂しいので漬物なんぞも同席させるのだな、市内の別のスーパーで売っていた『京菜のハリハリ漬』ってのがソレなのよ。このところ哀愁のイナカ町にも中部ニッポンの大手スーパーチェーン∨が進出してきて（オマエ、どんだけ拡張したら気が済むんだよ…）みたいな流通大手某Ａ独占体制の一角が切り崩されようとする動きはなかなかに嬉しい。地元スーパーグループとタッグを組んで某Ａを…おっと、ハナシが脱線だ、元へ。
その∨で売っていた漬物なんですね、関西に近いエリアでの仕入れやPB商品の製造委託が多いらしく今まで静岡ではデパ地下に行かないとテに入らなかったこうしたものが通常店頭に並んでいるのが有り難い。
ナマエの通りハリハリとした歯ざわりが心地よいしお味もはんなりシミ入る感じがジツにツボ、酒の肴だけじゃなくって朝ゴハンにも食したくなる。大量にいただいた茄子や胡瓜は得意の塩麹で漬物として仕込んだけれど、美味しくいただけるようになるのは数日先なのでそれまではこいつが重要なブリッジとなってくれるのね。

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