(124)栃木県那須高原「黒毛和牛カレー皇帝」


カレー皇帝(ハーン)とはちょっと大袈裟ではないかと思うような商品名と、奇妙な装飾柄をあしらったパッケージはおせじにもセンスが良いとは言えないものであるが、あの“安愚楽牧場”の製品ならば…と思えば「買ってもいいかな…」と云った購買動機なのである。
ところがそのナカミはサスガなのであって、ゴロゴロと入った黒毛和牛がレトルトパウチの大半を占めゴマカシのない品質が嬉しさを倍増させる。
カレーライスは一見洋食風な食事だがジツは器を変えただけのドンブリ物なのであり、いくらルウのお味がスバラシイものであっても具が少ないのは寂しいものなのだ。中華丼などはゴハンが完全に見えないほどの白菜やその他の野菜と海鮮・肉といった具で覆われているからこそ満足がゆくのであって、いくら素材の旨みが溶け込んだ“あん”が美味しいものでもゴハンのうえに点々と散在する具ではそもそもドンブリとしての使命が成立しない。
そういったイミでもこのカレー皇帝は素直にヨロコビを感じるべきカレーなのである。


株式会社安愚楽牧場
http://www.agura-bokujo.co.jp/