特売肩肉で『豚肉のキムチ炒め』


リベンジを図るスーパーの売り場は買い物客でゴッタ返していた。倒産と云う憂き目に遭ったそのスーパーが県中部でチカラを持つ同業者の協力を得て再生しようとする意気込みは、衝撃テキな新聞折り込みチラシの内容で富士宮市民のハートを捉えたようだ。
大手流通某Jに対抗しようとする地方チェーンはこれからもこうした迎撃態勢で熱い闘いを繰り広げるのであろうが、いくら安くても家庭の冷蔵庫の容量は限られていて「まぁとりあえず今日の分だけ買って帰ろう」となるワケだ。
韓国直輸入というキムチも450g¥198と格安で、先般からジッコーしようと画策していた“豚肉のキムチ炒め”には絶好の機会到来、ボクはカゴに気分よく放り込むのである。

酸味の効いたキムチは加熱によってトゲトゲしさも消え旨みが強調されると云う特徴がある。漬物であるキムチは生で食すのが当たり前だと思っていた頃に飲み屋で知った“豚肉のキムチ炒め”の味には正直メからウロコのような感動があったものだ。
今ではどの家庭でも調理をするようになったこの料理は、浅漬けから熟成期までムダなく美味しく食べるための韓国の知恵なのである。チゲなどに利用しても大変有効でキムチが総合調味料の役目を果たしてくれるのか複雑な旨みが加わりホカの調味料は不要とさえ思えてくる。
この豚肉炒めにしてもキムチ容器の底に溜った漬け汁は捨てずにソースとして活用するのが常道で、発酵から生まれる酸味が豚肉を柔らかくしてくれるという素晴らしい効果もある。庶民テキな料理なのでそう上等な肉を使用せずとも極上の味わいを楽しむコトができ、この日のように廉売ニクを上手に活用するにはうってつけのレシピだろう。
ただ食材が安上がりに済んだからと云って酒にその分を振り向ける必要もなく、フツーにヨッパなエロおやぢとなって「美味い美味い♪」を連呼するのである。








Sora

8:48AM, July 04. 2009.